施工実績
閉じれば個室、開ければ大空間|新宿区・3枚連動引き戸のあるマンションリフォーム
3枚連動引き戸の設置と、TOTOの浴室・洗面室の入れ替え、内装の更新を行いました。LDと洋室のあいだの間仕切りを変更し、閉じれば独立した個室として、開ければLDとひと続きの広い空間として使えます。床は明るいメイプル柄に上張りし、内窓は3か所。既存のキッチンや収納を生かしながら、住まい全体を軽やかな印象に整えました。

RENOVATION SCOPE / 今回変えたところ
- 間仕切り変更・3枚連動引き戸
- 浴室(ユニットバス入れ替え)
- 洗面室(洗面化粧台入れ替え)
- 内窓 3か所
- 床・壁・天井の更新
- リビング・ダイニング
- 洋室(引き戸側)
- 寝室(壁・天井・内窓)
- キッチンの内装
- 玄関・廊下
- 洗濯機まわり(パン・トラップ・水栓)
- 分電盤・スイッチ・ダウンライト
- 巾木
AS IT IS / そのまま使ったところ
- キッチン(設備一式)
- 寝室の床
- 玄関の土間
- 洋室のクローゼット扉
- リビングの大型物入
- 各室の建具(引き戸を設けた箇所を除く)
※金額は工事内容・仕様・現場状況により変動します。
PLANNING NOTE
専有64.84㎡の2LDK。キッチンや収納など、そのまま使える設備が残っている住まいでした。だから今回の計画は、どこを変えて、どこを変えないかを分けるところから始めています。手を入れたのは、暮らし方そのものが変わるところ(LDと洋室のつながり方)と、毎日使って差が出るところ(浴室・洗面室・窓)。それ以外は、内装だけを新しくして残しました。
01 / PLAN変えるところを、選ぶ
全部を新しくするのではなく、変えるところを選ぶ。
今回の工事範囲は、浴室、洗面室、リビング・ダイニングと洋室・キッチン・廊下・玄関の内装、LDと洋室のあいだの間仕切り変更、そして内窓が3か所です。寝室は壁と天井のクロスと内窓だけで、床はそのまま。キッチンは設備を交換せず、床と壁・天井の内装だけを新しくしています。

BEFORE
- LDと洋室のあいだに間仕切りと建具2つの部屋として分かれていた
- 濃い色の既存フローリング
- 既存のマンション用ユニットバス
- 既存の洗面化粧台と洗濯機まわり
- 既存サッシのままの窓
AFTER
- 幅2,940mmの3枚連動引き戸閉じれば個室、開ければひと続き
- 明るいメイプル柄のフロアタイル(上張り)
- TOTO マンションリモデルバスルーム
- TOTO オクターブ 間口1000mm
- 内窓を入れた二重窓(3か所)
そのまま使ったところ:キッチン(設備一式)/寝室の床/玄関の土間/洋室のクローゼット扉/リビングの大型物入
MANSION NOTE
マンションの工事は、商品を決める前に管理規約を読むところから始まります。この住まいの管理規約でも、床のフローリング・ユニットバスの設置・間取りの変更などの専有部分の工事は、あらかじめ理事長へ申請し、工事図面と仕様書を添えて書面による承認を受けることが定められています。さらに使用細則では、フローリング材仕上げへ改修する場合に軽量床衝撃音の遮音等級LL-45以上の部材を使うことが求められています(最下階住戸を除く)。規約の内容は建物ごとに違うので、床材も設備も、まず規約と細則を確認してから選びます。
02 / SLIDING DOOR閉じれば個室、開ければ大空間
この住まいでいちばん大きく変わったのが、リビング・ダイニングと洋室のあいだです。もともとここには間仕切り壁と建具がありました。今回はその建具と間仕切りを解体し、解体でめくれた天井を補修してGLボードを張り、戸を受ける袖壁を新しく造作したうえで、幅2,940mm・高さ2,100mmの3枚連動引き戸を入れています。

戸を閉じれば、洋室はもとどおりの独立した個室に戻ります。壁を取り払って一室にしてしまうと、そこはもう個室には戻せません。連動引き戸は、開けた状態と閉じた状態のどちらも選べるようにするための建具です。


上吊り式なので、床にレールが出ません。掃除のときも、通るときも、床はフラットなままです。3枚が連動して動くため、端の1枚を引けば残りの2枚もついてきます。引手は戸に彫り込む角型のタイプ(C1型)で、戸の面から出っ張りません。

DOOR SPEC
- 建具/Panasonic ベリティス(内装ドア)
- 形式/上吊り引戸 1.5間 3枚連動引違い(PA型)/右引手
- 寸法/W2,940×H2,100(特注)/戸本体 W1,027×H2,040 ×3枚
- 柄/ウォールナット柄(TY)
- 枠/固定枠 枠見込み155mm
- 引手/角型引手 C1型(空錠)
- 下地工事/既存の建具と間仕切りの解体撤去/天井解体部の補修/GLボード張り/袖壁の造作・床補修/巾木
DOOR NOTE
間仕切りを引き戸に替えるとき、実際に手数がかかるのは戸そのものより戸を納める側の下地です。今回も、既存の間仕切りを撤去したあとに戸を受ける袖壁を造り、解体でめくれた天井を直してから枠を取り付けています。開口をどこまで広く取れるかは、この下地の寸法で決まります。
※リビングと洋室のあいだは、工事前の写真が残っていません。改修前の建具の形や開口の寸法は資料から特定できないため、この記事では触れていません。
03 / FLOOR & WALL明るいメイプル柄の床に
床は、既存のフローリングの上にフロアタイルを上張りしました。張ったのはリビング・ダイニング、洋室、キッチン、廊下。選んだのはサンゲツのWD-2079、明るいメイプル柄です。工事前の床は落ち着いた濃い色でしたから、同じ間取りでも部屋の印象はかなり変わりました。

壁と天井は全室クロスを更新しています。サンゲツのSP2501。大きな塗り跡を表現した石目調の柄です。


INTERIOR SPEC
- 床(LD・洋室・キッチン・廊下)/サンゲツ フロアタイル WD-2079(メイプル柄)※既存フローリングの上に上張り
- 壁・天井(全室)/サンゲツ SP2501(大きな塗り跡を表現した石目調)
- 洗面室の床/サンゲツ HM-17068(チェスナット)
- 巾木/リビング・ダイニングと洋室は白へ交換
- 寝室/壁・天井のクロスのみ更新。床は既存のまま
- 玄関/玄関框を交換。土間の床は既存のまま
FLOOR NOTE
上張りは、既存の床をはがさずに新しい床材を重ねる方法です。解体とごみが減り、その分だけ工期も短くなります。いっぽうで床の高さが少し上がるので、扉の下端や、張らない部屋との段差を先に確認しておく必要があります。今回はリビング・ダイニングから洋室・キッチン・廊下までをつなげて張り、床を替えていない場所とは見切り材で納めました。
04 / BATHROOM浴室を入れ替える
浴室は、既存のマンション用ユニットバスから、TOTOのマンションリモデルバスルームへ入れ替えました。WYシリーズのKタイプ、サイズは1317です。


正面のアクセントパネルはクレアライトグレー、まわりの3面はミネラホワイト。床は「お掃除ラクラクほっカラリ床」のホワイト(ラグ調)で、浴槽とエプロンもホワイトでそろえています。グレーを1面だけに使い、残りは白でまとめることで、1317のサイズでも狭く見えないようにしました。

床は床ワイパー洗浄(きれい除菌水)に対応した仕様です。浴槽は、湯温が下がりにくい魔法びん浴槽の「ゆるリラ浴槽」。ふろふたは2枚割の断熱仕様を選んでいます。※浴槽の自動洗浄は今回の仕様には含みません。
BATHROOM SPEC
- 商品/TOTO マンションリモデルバスルーム WYシリーズ Kタイプ 1317サイズ
- 壁/アクセントパネル:クレアライトグレー / 周辺パネル:ミネラホワイト
- 床/お掃除ラクラクほっカラリ床(ホワイト・ラグ調)
- 浴槽/ゆるリラ浴槽(ホワイト)/魔法びん浴槽/エプロン ホワイト/ラクかるふろふた(2枚割・断熱仕様)
- 洗浄/床ワイパー洗浄(きれい除菌水)
- 水栓・シャワー/スッキリ棚水栓(棚W215・シルバー)+コンフォートウェーブシャワー/コンフォートシャワーバー(手すり兼用)
- 収納・鏡・カウンター/収納棚(側面2段)/お掃除ラクラク 縦長ミラー/お掃除ラクラクカウンター(ホワイト)
- ドア/スッキリドア折戸(W700×H2000・ホワイト)
- 換気・暖房/換気暖房乾燥機「三乾王」 2室換気・100V
- 付帯工事/既存ユニットバスの解体撤去・搬出/梁欠き/換気ダクト配管/浴室ドアの三方枠造作/壁の間仕切り工事/給水・給湯・追い焚き・排水の配管/温水暖房配管の取外し/電気配線の改修
BATHROOM NOTE
完成すると見えなくなる作業が2つありました。1つは梁欠き。マンションの浴室は天井裏に梁が通っていることがあり、新しいユニットバスの天井高さを確保するために梁をよける加工をしています。もう1つは暖房の方式で、これまでの温水式から100Vの電気式へ入れ替えました。既存の温水暖房配管を外し、換気暖房乾燥機のダクトと電気配線を新しく引いています。浴室と洗面室の2室を換気できる機種です。
05 / WASHROOM洗面室を整える
洗面室は、既存の洗面化粧台からTOTOのオクターブへ。間口は1000mmです。写真は、ほぼ同じ位置から撮った工事前と完成後です。


化粧台は2段引き出しのタイプ。カウンターは洗面ボウルと一体の人工大理石で、水栓は「お掃除ラクラク水栓F1」です。鏡は三面鏡で、ワイドLEDの照明とくもり止めのエコミラー、鏡の裏はすべて収納。照明のスイッチはセンサー式で、手をかざすと点きます。扉はライトウッドN、カウンターはホワイト、床は木目調のサンゲツ HM-17068を張りました。

洗面室は化粧台だけでなく、まわりも一緒に手を入れています。洗濯機パンと横引きの排水トラップを交換し、洗濯用水栓は位置を変更(壁の開口も復旧しています)。ダウンライトを交換し、分電盤とスイッチも新しくしました。
WASHROOM SPEC
- 洗面化粧台/TOTO オクターブ 間口1000mm(2段引き出し・ドア枠回避仕様)/品番 LDSFB100BCRDN1Z
- ミラー/三面鏡(タッチレスワイドLED照明・エコミラー・鏡裏収納)/品番 LMFB100A3GLC1G
- 水栓/お掃除ラクラク水栓 F1
- カウンター・ボウル/洗面ボウル一体カウンター(人工大理石)/カウンター色 ホワイト/高さ800mm
- 扉色/ライトウッドN
- 洗濯まわり/洗濯機パン・横引きトラップ・洗濯用水栓を交換(水栓の位置を変更)
- 電気/分電盤を交換/スイッチ交換/ダウンライト交換/既設配線の改修
- 内装/床 サンゲツ HM-17068/壁・天井 サンゲツ SP2501
06 / INNER WINDOW窓の内側に、もう1つの窓
窓には内窓を入れました。既存のサッシはそのままに、その内側にもう1つ窓を足す方法です。今回はリビング・ダイニング、洋室、寝室の3か所に、LIXILのインプラスを設置しています。

既存のサッシを外さないので、1か所あたりの工事は短時間で終わります。マンションでは窓のサッシそのものが共用部分として扱われることが多く、その場合は外側に手を入れられません。内窓は室内側だけで完結する工事です。

WINDOW NOTE
内窓は、既存の窓の内側にもう1枚の窓を足して、あいだに空気の層をつくる建具です。断熱や防音を目的に選ばれることが多いものですが、効果の出方は窓の大きさ・方位・既存サッシの状態・ガラスの仕様で変わります。この住まいでは工事後の測定を行っていないため、数値としての効果はご案内していません。導入を検討されるときは、まず「どの窓を優先するか」から一緒に整理します。
07 / AS IT ISそのまま使ったところ
使えるものを残す。それも、工事の内容のうちです。
この工事で交換していないものがあります。キッチンは設備一式をそのまま。寝室の床、玄関の土間、洋室のクローゼット扉、リビングの大型物入も、工事前のまま使っています。交換しなかった場所も、床や壁・天井の内装だけは新しくしました。

濃い色の既存の床と建具に、新しい白いクロスが合わさります。部屋ごとに手を入れる範囲を変えると、こういう見え方になります。全部をそろえないぶん、どこにお金をかけるかを選べるのが、この進め方の良いところです。
08 / SPEC採用商品・仕様(まとめ)
ADOPTED PRODUCTS
- 浴室/TOTO マンションリモデルバスルーム WYシリーズ Kタイプ 1317
- 洗面化粧台/TOTO オクターブ 間口1000mm(LDSFB100BCRDN1Z / 三面鏡 LMFB100A3GLC1G)
- 建具/Panasonic ベリティス 上吊り引戸 1.5間 3枚連動引違い(W2,940×H2,100・ウォールナット柄TY)
- 内窓/LIXIL インプラス(3か所)
- 床/サンゲツ フロアタイル WD-2079(メイプル柄)/洗面室 HM-17068
- 壁・天井/サンゲツ SP2501
- 既存を使用/キッチン設備一式/寝室の床/玄関の土間/洋室のクローゼット扉/リビングの大型物入
※内窓は、ガラス仕様と各窓の寸法について社内資料の記載が一致していないため、この記事では商品名と設置か所数のみを掲載しています。
工事の進み方
- 7月22日
着工・解体工事
既存のユニットバス、洗面化粧台、間仕切りと建具を解体・撤去。あわせて配線の改修に着手しました。
- 7月下旬
木工事・配管工事・ユニットバス施工
大工工事で下地を組み、給水・給湯・追い焚き・排水の配管を通したうえでユニットバスを組み立て。続いて間仕切りと洗面まわりの造作に入ります。
- 7月末〜8月上旬
内装クロス・洗面室のクロス
壁と天井のクロスを全室張り替え。洗面室のクロスもこの時期です。
- 8月上旬〜中旬
床の上張り・内装仕上げ
フロアタイルを上張りし、巾木や見切り材まで含めて仕上げます。
- 8月中旬〜下旬
電気仕上げ・ハウスクリーニング
照明・スイッチ・分電盤まわりを仕上げ、最後に室内を清掃しました。
- 8月20日
完了
着工から約1か月。工程表では8月19日にハウスクリーニング、8月20日から22日までを予備日として組んでいます。
09 / BEFORE / AFTER変化を、まとめて見る
リビング・ダイニング


床と壁・天井を替え、窓には内窓が入りました。左に写っている大型物入は工事前からあるもので、右が新しく設けた3枚連動引き戸です。
キッチン


キッチンは設備を交換していません。床と壁・天井だけを新しくし、あわせて浄水器を撤去して配管を止め、スイッチを2個交換しました。同じ設備でも、足元が明るくなると見え方が変わります。
※比較として意味のある場所だけを並べています。撮影の位置や画角は完全には一致していません。リビングと洋室のあいだの間仕切りは、工事前の写真が残っていないため掲載していません。
10 / REFORM POINTこの工事で整理したこと
最後に、この住まいで実際に判断したことを4つにまとめます。これから同じような改修を検討される方の参考になればと思います。
1. 部屋の使い方は、建具で変えられる
壁を撤去して一室にすると、広さは手に入りますが個室は失われます。連動引き戸なら、開けた状態と閉じた状態のどちらも選べます。今回はここに費用の重心を置きました。
2. 交換するものと、残すものを先に分ける
キッチン、寝室の床、玄関の土間、クローゼット扉、大型物入は残しました。そのぶん、浴室・洗面室・間仕切り・内窓に予算を寄せています。
3. 内装は、範囲をつなげて考える
床はリビング・ダイニングから洋室・キッチン・廊下までを同じ材でつなげ、壁と天井は全室で張り替えました。手を入れる部屋と入れない部屋があっても、内装の見え方は住まい全体でそろえられます。
4. マンションは、規約の確認が最初の工程
床・ユニットバス・間取りの変更は、管理組合への申請と承認が必要でした。床材には遮音等級の指定もあります。工事の内容が固まってから規約を読むと、選び直しが発生します。
閉じれば個室、開ければ大空間。
間取りの線を引き直さなくても、暮らし方は変えられます。
この住まいでは、1か所の建具を替えることで、2つの部屋が2通りの使い方を持ちました。
使えるものは残し、変えるところを選ぶ。
そのぶん、必要な場所にしっかり手をかける。
64.84㎡の2LDKで、約1か月の工事です。
こちらの施工事例も是非ご覧ください
















